歯科医師国家試験の統計で最も衝撃的な数値が、歯科医師国家試験の新卒・既卒別データです。最新の第119回試験においても、新卒者の合格率が約78%前後を記録しているのに対し、歯科医師国家試験の浪人生合格率はわずか約27%にまで急落しています。
この「27%の壁」は何を意味するのか。一度国試に失敗して既卒浪人生になると、翌年に合格できる確率は4人に1人強に過ぎず、残りの約7割以上が再び不合格となる現実を示しています。大学という学習環境や日々の強制力から切り離され、モチベーション維持や最新の出題傾向への対応に苦慮した結果、2浪、3浪と年数を重ねるごとに合格率はさらに10%台へと逓減していきます。
さらに見過ごせないのが、歯学部の留年率と国試合格率の真相です。大手予備校や進学指導機関の分析によると、一部の大学が公表している「新卒合格率85%」という数字の裏には、巧妙な数字のカラクリが存在します。
大学側は自校のブランド力や学生募集のために「高い国試合格率」をアピールしたい思惑があります。そこで用いられるのが、6年次の「卒業試験」を用いた強烈な足切りです。国家試験に合格する見込みが薄いと判断された学生を容赦なく卒業延期(留年)させ、合格可能性の高い上位層だけを国試に出願させる手立てを取ります。入学者数に対してストレートで国家試験に合格できる「真の合格率」を算定すると、公表値の80%から大きく低下し、50%〜60%程度に落ち込む大学が少なくありません。学生は国家試験の本番前に、まず学内試験という名の見えない巨大なフィルターに直面しています。