さて、時代は大きく動いている。政府が進めるマイナンバーカードと健康保険証の一体化、いわゆる「マイナ保険証」への移行だ。従来の紙やプラスチックの保険証は原則として新規発行が停止され、多くの人がマイナンバーカードを保険証として利用するようになっている。
これにより、これまで個性を競い合っていた(あるいは格差の象徴とみなされていた)保険証の「色」は、物理的には姿を消しつつある。マイナンバーカードの券面は誰でも同じデザインであり、そこから加入している保険の種類を視覚的に判別することはできない。デジタル化は、期せずして「保険証の色によるヒエラルキー」を強制的に終わらせることになった。