化け鯉はそのダイナミックな動きと身体のグラデーションが命となるため、施術する身体の部位によって構図の設計が大きく変化します。
最も王道とされるのは背中一面(甲羅彫り)の構図です。背骨のラインに沿って滝を配し、下から上へと力強く身を捩らせながら登る化け鯉を巨大なスケールで描きます。水飛沫と荒れ狂う岩肌を背景に敷き詰めることで、背中全体がひとつの壮大な神話絵巻のような迫力を醸し出します。
一方、腕(五分袖・七分袖・十分袖)に配置する場合は、腕の丸みや筋肉の収縮を活かした立体的な配置が求められます。腕に巻き付くように鯉の胴体を走らせ、肩口や手首付近に龍の頭部を配することで、腕を動かすたびに化け鯉が躍動しているかのような視覚効果を生み出します。
さらに、伝統的な「胸割り」の構成においては、左右の胸から太ももにかけて水流を連続させ、片側に滝を登る化け鯉、もう片側にすでに天へ昇った龍や対になる守護獣を配置するなど、物語性を持たせた重厚なレイアウトが好まれます。