「佐藤錦」に代表されるさくらんぼや高級西洋梨ラ・フランスなど、山形県が誇る果樹栽培も大きな岐路に立たされている。春先の異常な高温によって開花時期が大幅に前倒しされる一方、その直後に突然訪れる「遅霜(おそじも)」が芽を直撃する被害が急増。さらに開花期の降雨量の変化が受粉を阻害し、収穫量の変動リスクを高めている。
この危機に対し、地元の生産者たちは黙って手をこまねいているわけではない。スマート農業技術を導入し、園地に設置したセンサーで微細な温度・湿度変化をリアルタイム監視。霜害防止用の散水氷結法や防霜ファンを自動制御する試みが広がっている。また、夏の猛暑に耐えうるシャインマスカットや新たな耐暑性品種への転換を図るなど、気候シフトに対応した「適地適作」の再定義が進む。