テレビ東京が誇る看板経済トーク番組『カンブリア宮殿』で、村上龍は小池栄子とともに15年以上にわたりMCを務めてきた。経営者の本質を突き刺すような鋭いインタビューと、番組ラストに提示される独自の「編集後記」は、多くの視聴者を魅了した。しかし、彼が番組を去った際、その背景には歩行時のつまずきや体調面の変化があったとされる。
長時間の収録やハードな事前取材をこなす体力の維持が難しくなったことが、一つの要因だった。彼は自身の美学として、妥協した姿を画面に晒すことを嫌った。衰えを隠して惰性で続けるのではなく、引き際を自ら決断した姿勢こそが、彼らしい潔さだったとも言える。