大森南朋の才能が全国区の衝撃として響き渡った作品といえば、2007年に放送されたNHK土曜ドラマ『ハゲタカ』だ。外資系ファンドの買収者・鷲津政彦役で見せた鋭利な眼光と、静寂の中に秘めた狂気。経済ドラマという固いジャンルでありながら、視聴者の感情を強く揺さぶり、日本のテレビドラマ史に遺る名作となった。
その一方で、大きな転機となったのがTBSテレビのヒット作『私の家政夫ナギサさん』である。それまでのハードボイルドなイメージを一変させ、おじさん家政夫・鴫野ナギサ役として見せた包容力溢れる笑顔は、日本中に癒やしと「ナギサさんロス」をもたらした。エプロン姿で料理を振る舞う姿に、誰もが温もりを感じずにはいられなかったはずだ。名作ヒューマンドラマとして、彼の新たな代表作となった。