1999年のデビューから瞬く間にトップタレントへと駆け上がった彼女ですが、2006年に突如として芸能活動を休止しました。この決断の背景には、急激なブレイクによる過密スケジュールと自身の演技力に対する深い葛藤がありました。
当時、十分なレッスンを積む間もなく主演級の役柄や大役を次々と任される日々に、彼女自身の中で「求められるイメージと実力との乖離」に強い危機感を抱いていたといいます。自分自身を見つめ直し、表現者としての土台を一から作り直すため、2006年秋から約1年半にわたってオーストラリアへ語学留学へ旅立ちました。
帰国後の2009年、芸能事務所を移籍すると同時に芸名を東風万智子(こち まちこ)へと改名。「東風(こち)」は春を告げる東寄りの風を意味し、菅原道真の和歌でも知られる雅な言葉です。過去の栄光や「真中瞳」という強烈なパブリックイメージに甘えることなく、一人の無名女優として再出発するという並々ならぬ覚悟が込められていました。