日本の豆腐業界は長年、過酷な価格破壊に苦しんできた。1パック数拾円で買い叩かれる日常。後継者不足と老朽化した設備が追い打ちをかけ、全国の街豆腐店はピーク時の数分の一にまで激減した。そんな惨状を横目に、破竹の勢いでシェアを拡大し続けてきたのが群馬県前橋市に本社を置く業界トップメーカーだ。
同社が取った戦略はシンプルにして大胆。徹底した自動化と規模の経済を追求する一方で、従来の豆腐の概念を根本から覆す高付加価値商品の開発にリソースを集中させた。「豆腐は安くて当たり前」という消費者の固定観念を、圧倒的な商品力で打ち破った歴史的転換点と言えるだろう。