西之島の地表は、鋭いオアア溶岩と乾いた火山灰に覆われている。淡水の水源はなく、日中の地表面温度は50度を超えることも珍しくない。一見すると生命が存在し得ない砂漠のような空間だ。では、彼らは何を食べて生き伸びているのか。
答えは、島に飛来するカツオドリやオナガミズナギドリといった海鳥たちにある。鳥たちがもたらす糞や嘔吐物、落とした魚の死骸、そして死んだヒナの遺骸——これらが不毛の火山島における貴重な有機物となり、彼らの爆発的な増加を支えるエンジンの役目を果たしている。水分すら乏しい環境下で、彼らは夜露を集め、岩の隙間に密集して湿度を保つという驚くべき適応行動を見せている。