今回の事件で資産を失った被害者の苦しみは計り知れない。東京都内に住む50代の男性会社員は、ある日突然、自身のメインバンク口座から数百万相当の貯蓄が姿を消していることに気づいた。銀行からの通知を受け取った時にはすでに手遅れで、資金は複数の暗号資産口座へ分散送金された後だった。
「セキュリティ対策には人一倍気を配っていたつもりだった。自分の顔写真や本人確認書類がどのように偽造されたのか、未だに信じられない」と男性は絞り出すような声で話す。高齢者だけでなく、ITリテラシーが比較的高いとされる40代・50代の現役世代も数多く被害に遭っており、社会全体に広がった不信感と不安は日増しに強まっている。