「あれほど客が入っていたのになぜ潰れるのか?」という疑問は、都市型練習場が閉鎖されるたびに繰り返される一般的な誤解です。この背景には、外部からは見えにくいゴルフ練習場ビジネス特有の構造的課題が存在します。
第一に、「広大な土地に対する固定資産税負担と相続問題」です。都市近郊の地価が上昇すると、それに比例して固定資産税や都市計画税の負担が急増します。練習場ビジネスは土地面積あたりの収益性(売上効率)が物流施設や住宅開発に比べて低く、世代交代や相続が発生した段階で、莫大な相続税支払いのために土地の売却や転用を余儀なくされるケースが後を絶ちません。
第二に、「近年の自然災害リスクと保険料の高騰」です。2019年の台風による千葉県内のゴルフ練習場鉄柱倒壊事故以降、全国の自治体および保険会社は練習場の構造基準や安全管理体制の審査を大幅に厳格化しました。老朽化した支柱を維持し続けること自体が経営上の重大なリスク要因となり、莫大な耐震補強費用を投じても回収の見込みが立たない場合、経営陣は閉鎖という決断を迫られることになります。