ドローンが場所を特定したとしても、最終的に泥の中に手を突っ込んで助け出すのは人間の力だ。今回、迅速な救助を可能にしたのは、日頃から顔の見える関係を築いていた地域コミュニティの結束力だった。避難訓練で「誰がどこに住んでおり、どの世帯に乳幼児がいるか」を住民同士が把握していたため、混乱の中でも「あの家の赤ちゃんがいない」という情報が瞬時に共有された。
都市化が進む現代において、隣人の顔を知らないというケースは珍しくない。しかし、災害大国である日本において、近所付き合いは単なる社交ではなく、文字通りの「生存戦略」である。今回の事件は、最先端のインフラがいかに整備されようとも、最後の砦となるのは人と人との繋がりであることを改めて証明した。