巨大配信プラットフォームがカンヌの敷居を跨げない間隙を縫って、独自の存在感を急速に高めているのがMUBIのようなキュレーション型プラットフォームや新興スタジオだ。彼らは映画配給の現場で大胆な買い付けを行い、単なるストリーミングにとどまらず、熱心なファンを映画館へと呼び戻すハイブリッド戦略を展開している。
従来のミニシアター興行が転換期を迎える中、アートハウス映画をいかに観客へ届けるかというビジネスモデルそのものが問われている。カンヌで発掘された尖った才能をいち早く囲い込み、劇場のプレミアムな体験とデジタルの即時性を結びつける。この巧みな配給戦略が、カンヌ発のインディペンデント映画に新たな商業的生命を吹き込んでいるのだ。