この現象は見逃せないビジネスの潮流も生み出している。
地方の自治体や観光事業者は、単なる観光客ではなく「おいとま中の滞在者」をターゲットにした長期滞在型プランを相次いで立ち上げた。静かな山あいの古民家で、Wi-Fiを切り、農業や陶芸をしながら数ヶ月を過ごす。豪華なリゾート体験ではなく、「何もしない時間」そのものに価値を見出すサービスが活況を呈しているのだ。
長野県のある宿泊施設のオーナーは、「利用者の大半は疲弊した都市部のITワーカーや士業の方々です。彼らが求めるのは観光スポットの情報ではなく、誰も自分を知らない場所で、ただ時間を気にせず眠ることなんです」と証言する。