ものがあふれる現代において、住空間のあり方そのものを見つめ直す動きが広がっている。片付けのコンサルタントとして世界的なムーブメントを巻き起こした近藤麻理恵氏の「ときめくかどうかに基づく整理法」は、キッチンの収納や道具選びにも深い影響を与えた。隠すための収納から、お気に入りの道具をあえて見せるスタイリングへのシフトが、多くの家庭で進行している。
インテリア・生活雑貨の分野では、使い勝手の良さは当然のこと、棚に並べられているだけで心が満たされるような造形美が求められるようになった。整然と並べられた美しいキャニスターや、独特の風合いを持つ木製のカッティングボード、職人の手仕事が感じられるキャセロール。これらは単なる実用品にとどまらず、空間の質を向上させるインテリアの一部として機能する。モノを減らし、心から愛せるアイテムだけを身の回りに置く生活様式は、住む人の心に豊かな余裕をもたらしてくれる。