作品のクオリティを左右するのは、制作陣の偏見なき取材力と誠実な姿勢だ。NHKをはじめとする各放送局は、当事者や専門家との対話を重ね、従来のステレオタイプなキャラクター像を打ち破る努力を重ねてきた。
かつてドラマにおける登場人物は、「過剰な天才」あるいは「悲劇の主人公」として記号化されがちだった。しかし、近年の作品では、日常生活で直面する音や光への感覚過敏、コミュニケーションにおける特有のテンポなど、目に見えにくい感覚の違いが細部まで再現されている。俳優陣もまた、単なる模倣ではなく、役の背景にある感情の動きを深く洞察してカメラの前に立つ。この丁寧なプロセスこそが、フィクションでありながらドキュメンタリーのような説得力を生み出しているのだ。