本作の生みの親であるゲームデザイナー・鍋野ぺす氏、そして同氏が率いる同人サークル「鍋野企画」の歩みは、そのまま日本の同人アナログゲーム史の光と影を物語っている。限られた印刷部数からスタートした小さなアイデアが、口コミだけで瞬く間に広がり、やがて巨大な波となった。
その価値を見出し、洗練されたパッケージと流通網に乗せて全国の書店や玩具店へと届けた「すごろくや」の貢献も忘れてはならない。さらに、日本最大級のアナログゲームイベントを主催する「アークライト」などのメガパブリッシャーが牽引する市場の拡大も追い風となった。個人のひらめきが、業界全体の枠組みを超えてエンターテインメント業界全体を動かすムーブメントへと昇華した好例と言える。