それは、あまりにも突然の出来事だった。当時、ごく普通の中学生生活を送っていた芳根京子を襲ったのは、手足に力が入らなくなる奇妙な違和感だった。医師から告げられた病名は「ギラン・バレー症候群」。年間におよそ10万人に1人から2人が発症するとされる、国の指定難病である。
自己免疫の異常によって末梢神経が障害され、急速に全身の筋力が低下していくこの病気は、最悪の場合、呼吸不全に陥るリスクも孕んでいる。昨日まで当たり前に走れていた少女が、突然ベッドから起き上がれなくなる。その恐怖と絶望は、計り知れないものだったはずだ。しかし、彼女の闘いはここから始まった。