柏崎刈羽原発を語る上で避けて通れないのが、東京電力という事業者が「原子力発電を運転するにふさわしい適格性を有しているか」という根本的命題です。
同原発では2026年から2026年にかけて、他人のIDカードを用いた中央制御室への不正入室や、核物質防護設備(侵入検知センサー等)が複数箇所で長期にわたり機能喪失していたという、極めて深刻なテロ対策不祥事が相次いで発覚しました。原子力規制委員会は2026年4月、原子炉等規制法に基づき「特定核燃料物質の移動禁止」を命じる異例の行政処分を下しました。
この事態に対し、東京電力は経営トップ自らが現場改善に乗り出し、以下の是正措置を講じました:
- 核物質防護設備の二重化・多重化:センサー故障時の代替措置を即時発動できるバックアップ体制の構築と監視カメラの死角ゼロ化。
- 直接対話型マネジメントの導入:現場の警備員や保全担当者が「異常や不具合を気兼ねなく上層部へ通報・提案できる」心理的安全性の確保。
- 第三者検証機関の設置:外部の原子力安全・セキュリティ専門家による常時モニタリングと定期監査の義務付け。
規制委員会は延べ数千時間に及ぶ追加検査を実施し、自律的な改善が見込めるとして2026年12月に是正措置命令を解除。東電の「設置許可保持者としての適格性」を改めて確認しました。しかし、記者会見等において規制委員長が「解除はゴールではなく、日々の運用を監視し続けるスタートに過ぎない」と釘を刺した通り、現場の保安文化が本当に定着しているかについては、現在も厳しい監視の目が注がれています。