なぜ彼らは、数百年の歴史を誇る神聖な大聖堂に自らの痕跡を残してしまったのでしょうか。後に公表された大学側の調査報告書や当事者へのヒアリングによって、そのあまりにも浅はかな動機が浮き彫りになりました。
当時、現場となった大聖堂の展望台壁面には、世界各国の観光客によって無数の落書きが放置されていました。落書きに及んだ学生らは、「他の観光客もたくさん書いていたから」「旅の記念として軽いノリで書いてしまった」と供述しています。集団心理による規範意識の麻痺と、「旅の恥はかき捨て」という極めて無責任な甘えが引き起こした過ちでした。
しかし、落書きには大学の略称やフルネーム、訪問した日付がはっきりと記されていたため、ネットユーザーによる照合作業ですぐさま身元が割り出される結果となりました。悪気のない記念のつもりが、国際的な文化遺産汚損という重大な不祥事へと直結してしまったのです。