衣服のシミ抜きと並行して、現場で多くの人を悩ませるのが「手や指先に染み付いた絵の具」「カーペットへの落下事故」「カチカチに固まったパレット」の3大トラブルです。家庭や教育現場でのリアルな実態をもとに、それぞれの確実なリカバリー手順を検証します。
まず、手や爪についた水彩絵の具の落とし方についてです。子どもの皮膚や爪の隙間に入り込んだ顔料は、石鹸でゴシゴシ擦っても皮膚のキメに入り込んでなかなか落ちません。無理な摩擦は子どもの肌を痛める原因になります。効果的なのは、入浴前にオリーブオイルやベビーオイルを数滴手に取り、乾いた手で優しく馴染ませることです。油分が顔料を包み込んで浮かせた後、石鹸で洗い流せば皮膚を傷めず綺麗に落ちます。爪の隙間は使い古しの柔らかい歯ブラシを使って軽くブラッシングするのがベストです。
丸洗いができない絨毯やカーペットの水彩絵の具落とし方は、初動のスピードがすべてを左右します。カーペットに落とした直後なら、乾いた布やティッシュで「擦らずに上から押さえて」表面の絵の具を吸い取ります。その後、ぬるま湯で薄めた食器用洗剤をタオルに染み込ませ、外側から中心に向かって叩くように拭き取ります。すでに乾燥している場合は、セスキ炭酸ソーダ水を吹きかけ、固まった絵の具をふやかしてからスチームアイロンの蒸気(※直接布には当てず数センチ浮かせる)を数秒当て、固形分を浮かせてタオルに転写させます。
学期末の定番の悩みであるパレットにこびりついた水彩絵の具の洗い方にも決定的な裏技があります。プラスチック製パレットの角に溜まったカチカチの絵の具は、ぬるま湯を張った洗い桶に重曹を大さじ2杯溶かし、パレットを30分ほど漬け置きします。その後、メラミンスポンジで軽く擦るだけで、プラスチック表面を過度に傷つけることなく新品同様の白さが蘇ります。