大晦日の夜に突かれる除夜の鐘を108回突く意味は、1年を通じて心に蓄積した108の煩悩をひとつずつ払い落とし、清らかな心で新年を迎えるための宗教的儀式である。
伝統的な作法では、108回のうち107回を大晦日の年内に突き、最後の1回を年が明けた瞬間に突くのが正式とされる。これには「旧年のうちに107の煩悩を消し去り、新年には新たな煩悩に惑わされないように」という祈りが込められている。
鐘の重厚な音色は、人間の知覚を研ぎ澄まし、迷いを打ち砕く力を持つとされる。富士登山などの掛け声でも知られる「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」とは、六根のけがれを落として感覚と心を清らかに保つことを意味しており、除夜の鐘の響きはその実体験としての役割を果たしてきた。