事件は逮捕から17日後の2016年9月9日、予想外の結末を迎えます。前橋地方検察庁が高畑裕太を「不起訴処分」とし、同日午後に拘置先の警察署から釈放されたのです。白のワイシャツ姿で署の玄関口に現れた彼は、報道陣を前に「この度は皆様に多大なるご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございませんでした」と絶叫するように深々と一礼しました。
この電撃的な釈放に伴い、代理人を務めた渥美陽子弁護士(現・法律事務所インフィニティ)が発表したFAXコメントが、さらなる波紋を広げました。弁護士側は文書を通じて以下の要点を主張したのです。
- 「違法性の顕著な悪質な事件ではなかった」
- 「部屋に呼び込んだ状況や室内の様子から、合意があるものと誤認する余地があった」
- 「被害者側の処罰感情が過剰に高まった背景には、過熱報道による影響があった」
- 「強姦致傷罪は成立しないと確信していたが、被害者女性の精神的負担を考慮し示談に応じた」
この声明に対し、ネットや法曹関係者の間では激しい議論が巻き起こりました。「合意の誤認があったのなら完全な冤罪ではないか」という声が上がる一方で、「親の資力による高額な示談金で不起訴を買い取ったのではないか」という批判も噴出しました。日本の刑事司法において、親告罪(当時)ではない強姦致傷罪であっても、示談が成立し被害届が取り下げられれば、検察官が起訴猶予として不起訴判断を下すケースは珍しくありません。検察は不起訴の具体的な理由を開示しないため、法的な「嫌疑不十分」なのか「起訴猶予」なのかの断定はなされませんでしたが、実質的には示談成立が不起訴の決定打となったことは明白です。