落語の世界への入門は決して平坦な道ではない。柳亭こみちは七代目柳亭燕路に入門し、厳しい前座修業をくぐり抜けた。さらに、一門の重鎮である柳家さん喬をはじめとする大御所たちの芸を間近で吸収し、基礎を徹底的に叩き込まれた。
一般社団法人落語協会に所属し、二ツ目から真打へと昇進を果たす過程は、まさに芸に対する執念の積み重ねだった。真打として一本立ちした現在も、師匠たちから受け継いだ江戸前の粋や言葉の端切れを何より大切にしている。型を徹底的に学んだ者だけが、型破りな表現へと踏み出せる。彼女の高座から溢れる説得力は、この盤石な基礎の賜物だ。