彼の真骨頂を味わうための最高峰として語り継がれているのが、太田出版から刊行された代表作『ザ・変丸』だ。単行本化にあたり、当時の過激な紙面表現や不条理なストーリー展開がそのまま凝縮されたこの一冊は、サブカルチャー全盛期のアイコンとして異例のロングセラーを記録した。
さらに、初期の傑作として知られる『ヌーディストビーチ殺人事件』をはじめとする短編群は、タイトルの滑稽さとは裏腹に、読者の予測を裏切り続ける緻密なプロットと狂気に満ちた構図で描かれている。エロスとサスペンス、そしてギャグが不気味なバランスで同居する世界観は、今読み返してもまったく色あせない毒気を放っている。