上弦の伍という位階は伊達ではない。戦闘において彼が見せた真価は、単なる物理的な破壊力ではなく、空間そのものを支配する変幻自在の戦術にあった。壺から壺へと一瞬で跳躍する空間移動、触れたものを即座に魚類へと変形させる「陣殺魚鱗(じんさつぎょりん)」など、相手の防御を無効化する術の数々は、初見の剣士にとって詰みに等しい脅威である。
特に鍛冶師たちを壺に詰め込んで創り上げた「鍛冶師の断末魔」と称する作品は、彼の狂気的な美意識を端的に物語っていた。人間の命を材料としか見なさない非人道的な姿勢と、自身の「作品」を侮辱された際に爆発させる強い承認欲求。このアンバランスな精神構造こそが、鬼殺隊を極限まで追い詰めた凄まじい執着心の源泉となっていたのだ。