世界有数の巨大地下空間を擁する梅田周辺。通称「梅田ダンジョン」と呼ばれるこのエリアは、雨水と高潮の同時襲来に対して極めて脆弱な側面を秘めていた。地下街への入口は無数に存在し、一箇所でも水が流れ込めば地下鉄の坑道や地下駐車場を通じて一気に拡大する恐れがあったからだ。
現在、大阪市と各鉄道事業者はリアルタイムの浸水予測センサーと連動した「自動油圧式止水板」を全面導入している。地上からの水の流入をわずか数秒でシャットアウトする仕組みだ。しかしハード面の強化が進む一方で、地下に滞在する数万人の歩行者をいかに短時間で地上や安全な地上階へ誘導するかというソフト面の課題は、今なお現場の頭を悩ませている。