旅立ちの時、ファンが流す涙の裏で、極めて緻密な軍事作戦並みの輸送計画が動いている。白浜から成都の繁殖基地へと向かう道のりは、分単位で管理された温度・湿度調整のもとで行われる。関西国際空港までの陸路輸送には、振動を極限まで抑えた専用のエアサスペンション車両が投入される。
機内では、中国野生動物保護協会の専門スタッフと日本の飼育員がタッグを組み、機上でのストレスを最小限に抑えるケアを継続する。フライト中に食べる竹の選定には数ヶ月前から準備が進められ、普段から食べ慣れた銘柄の竹が数十キロ単位で積み込まれる。まさに日中の絆と技術が結集した極秘ルートの裏側だ。