全国の保育園、幼稚園、図書館、そして一般家庭での読み聞かせ現場において、本書はどのような反応を引き出しているのでしょうか。現場の保育士や保護者の生の声を検証すると、子どもたちが引き込まれる明確なポイントが見えてきます。
読み聞かせにおいて最も子どもたちが前のめりになるのは、てんぷらを揚げるオノマトペと調理シーンです。「じゅう じゅう」「ぱち ぱち」というリズミカルな揚げ物の音に合わせてページをめくると、2歳児から年長児までが一斉に絵本を凝視します。実際に保育現場からは次のような声が寄せられています。
「普段は落ち着きのない男の子が、おばけが衣の中に落ちた瞬間、口を手で覆って『危ない!』と本気で叫んでいました。最後におばけが逃げ出したときは教室全体にホッとした笑いが広がります」(東京都内・私立認可保育園 保育士)
大手絵本レビューサイトやSNSコミュニティでの読者分析を行うと、保護者世代が子どもの頃に感じていたワクワク感を、今度は自分の子どもへ受け継ぐ「世代間リレー」が顕著に見られます。特に「自分も子どもの頃に天ぷらが食べたくなった」「めがねを揚げちゃううさこのマイペースさに救われた」といった、温かい読後感を評価する声が圧倒的多数を占めています。