虎の神聖視は仏教の伝来以前、古代中国の天文学や陰陽五行思想に由来する四神(四象)信仰にも深く関係しています。天の四方の方角を司る霊獣として、東の青龍、南の朱雀、北の玄武とともに、西を守護するのが白虎(びゃっこ)です。
五行説において「西」は「秋」および「金(ごん)」のエレメントに属します。金属性を司る白虎は、財宝や実りを象徴すると同時に、鋭い殺気をもって魔障や悪霊を切り裂く守護神とされてきました。平安京をはじめとする古代日本の都市造営においても、西に大路や平野を配する「四神相応」の思想が徹底され、西方の防壁として白虎の神威が重用されたのです。
風水空間において西側に虎のモチーフや置物を配置することは、外部からの邪気を遮断し、家運や金運の流出を防ぐ強力な結界作法として今なお重宝されています。