この店を語る上で絶対に外せないのが、テーブルに運ばれた瞬間に歓声があがる前菜のバリエーションだ。フランスの伝統的なデリカテッセンを思わせる小皿の数々は、まるで色彩豊かなパレットのよう。パテ・ド・カンパーニュの濃厚なコク、キャロットラペの爽やかな酸味、季節野菜のマリネが見せるみずみずしい食感。一つひとつのポーションに確固たる技術が注ぎ込まれている。
気軽に立ち寄れるビストロの気軽さと、上質なお惣菜を少しずつ選んで味わうようなワクワク感が同居する。少しずつ多彩な味を欲張りたい日本の食文化と、大皿をシェアして楽しむフレンチの精神が、白い皿の上で幸福な出会いを果たしているのだ。