検視官を務める警察官の階級は、原則として「警視」または「警部」です。警察組織において警視は警察署の副署長や警察本部の管理官クラスに相当する高級幹部であり、現場に赴く実動部隊としては異例の高さと言えます。
なぜこれほど高い階級の警察官が現場の遺体を直接調べるのでしょうか。その理由は、現場で下す「事件性の有無」の判断が、その後の大規模捜査(捜査本部の設置や令状請求)や国民の身体拘束に直結する極めて重い決断だからです。若手や経験の浅い捜査官では重責に耐えられず、判断を誤るリスクがあるため、組織内で百戦錬磨のベテラン幹部が配置されます。
検視官の年収水準は、地方公務員(公安職俸給表)の給与規定に準拠します。警視・警部階級の基本給に加え、超過勤務手当、当直手当、そして過酷な現場臨場に伴う「死体取扱手当(特殊勤務手当)」などが加算されます。
- 40代半ば〜50代(警部・警視クラス):推定年収 800万〜1,100万円前後
- 手当面:変死体や腐敗死体の取り扱い1件ごとに数百円〜数千円の特殊勤務手当が支給されるものの、精神的・肉体的負荷に対して金額的には決して高額とは言えないのが実情です。
経済的な待遇以上に、刑事部における最高峰の職人肌スペシャリストとしての名誉と誇りが重んじられるポストです。