1988年に放送された『3年B組金八先生』第3シリーズ。当時14歳だった浅野忠信は、東正広という生徒役で出演を果たしていた。名作学園ドラマとして名高い同シリーズにおいて、彼の存在はどこか他の生徒たちとは一線を画していた。目立つ主役級のポジションではなかったものの、カメラの端に映る佇まいや独特の陰影を帯びた表情には、すでに普通の若手タレントにはない雰囲気が漂っていたという。
当時、本人が俳優業に対してそこまで強い執着を持っていなかったというエピソードも有名だ。バンド活動やストリートカルチャーに傾倒していた少年が、TBSテレビのスタジオでカメラの前に立っていたという対比そのものが興味深い。本気で役者を続けるべきか迷っていた下積み時代の葛藤が、むしろスクリーン越しに漂う独特の「抜け感」や「ミステリアスな色気」を醸し出していたと言えるだろう。