2026年の春、伏見稲荷大社周辺の街並みには静かな変化が起きている。午前9時から午後3時に集中していた観光客の流れが、早朝4時台と夜間8時以降へ大きくシフトした。きっかけは、京都市が推し進める「タイムスロット参拝推奨プログラム」の本格運用だ。
スマホアプリと連動したダイナミック・ウェイファインディングシステムが、混雑状況に応じて参拝者に別ルートや時間を提案する。混雑ピーク時に参道へ向かうと、デジタルサイネージが「四ツ辻付近:待ち時間30分」といった情報を提示し、山麓のカフェや周辺の隠れた名所への立ち寄りを促す仕組みだ。一見すると味気ないデジタル技術に見えるが、結果として鳥居の列で立ち往生するストレスは激減した。