ここからが、本作の核心に迫る最大のネタバレとなります。
実は、博美の父である浅居忠雄は死んでいませんでした。夜逃げの道中、絶望した忠雄は娘を連れて心中を図ろうとしますが、博美を守るために踏みとどまります。しかし、逃亡先で出会った原発作業員の男・横山一夫に襲われそうになった博美は、自己防衛のために男を突き落とし、死なせてしまいます。
忠雄は娘を守るため、恐るべき決断を下しました。死んだ横山の遺体を自分のものと偽装し、自らは「横山一夫」として戸籍を乗っ取り、闇に潜んで生きることを決めたのです。これが、すべての悲劇の始まりでした。
娘は表舞台で華やかな光を浴び、父親は日陰の存在として娘の成長を遠くから見守る。二人は月に一度、日本橋の橋の上で、短い時間だけ視線を交わすことで繋がっていました。あの12のカレンダーは、彼らが警察の目を盗んで会うための「密会のルール」だったのです。