旧車と同様、ヴィンテージカセットデッキを維持するにはメカトラブルへの理解が不可欠です。特にリバース機はパーツ点数が多く、定期的なケアが寿命を左右します。
最も恐ろしいテープ巻き込み故障原因の多くは、ピンチローラーの経年硬化や汚れ、そしてテイクアップ側(巻き取り側)のリールモーター動力を伝えるアイドラーゴムの滑りです。巻き取りトルクが不足すると、キャプスタンから送り出されたテープが巻き取られずに内部で滞留し、一瞬でシワシワの「ワカメ状態」になってしまいます。
再生トラブルの8割以上を占める動力不良の解決には、カセットデッキ修理ゴムベルトの交換が基本ステップとなります。長年放置されたデッキの内部では、ゴムベルトが加水分解を起こしてタール状に溶けていることが多く、プーリーを無水エタノールで徹底清掃した上で、適切な内径・太さの新品ベルトへ張り替える作業が必要です。
また、反転ヘッド周辺の清掃にはエタノールを用い、走行系に残った帯磁を除去する消磁器(ヘッドイレーサー)を定期的に使用することで、アジマス本来のポテンシャルを長く引き出すことが可能です。