脳血管攣縮を無事に乗り切れるかどうかは、その後の脳血管攣縮の後遺症と予後を決定づける極めて大きな分岐点です。重度の脳血管攣縮によって広範な脳梗塞を発症してしまった場合、片麻痺や失語症、高次脳機能障害(記憶障害や注意障害)などが永続的に残り、日常生活動作(ADL)の低下を招きます。
一方で、近年の診断機器(経頭蓋超音波ドプラやMRA、CTアンギオグラフィー)の精度向上と、クラゾセンタンをはじめとする予防薬の普及により、重症化する割合は着実に減少しています。術後2週間の危険期を乗り越えた後は、残存した機能低下に対して早期から理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語聴覚療法(ST)を組み合わせた集中的なリハビリテーションを行い、社会復帰を目指します。