2011年3月の東日本大震災から15年。三陸沿岸の風景はかさ上げ工事や防潮堤の整備を経て大きく変化したが、あの日の記憶と教訓を次世代へ引き継ぐ試みは絶え間なく続いている。その中心的な役割を果たしてきたのが、三陸鉄道の名物企画「震災学習列車(語り部列車)」である。
車内に乗り込むと、地元住民の語り部がマイクを手に、当時の津波被害の凄まじさと復旧への歩みを熱っぽく語り始める。単なる観光旅行では通り過ぎてしまうようなトンネルの切れ目や高台の集落にも、一つひとつ忘れえぬストーリーが刻まれている。最近では小中学校の修学旅行だけでなく、企業の研修旅行や海外の防災視察団による利用が増加。言葉の壁を越える多言語音声ガイド端末の導入も手伝い、防災教育のフィールドとしての存在感を世界規模で高めている。