夏場の冷房運転中に室外機から熱風が出ず、冷たい風や生ぬるい風しか出てこない場合、自然に治る見込みはゼロです。放置すればするほどコンプレッサーへの負荷が増大し、最終的にエアコン全体が全損します。現場で多発している代表的な4大原因を深掘りします。
1. 冷媒ガス漏れの症状と確認方法
最も頻度の高い原因が、配管内部を循環するフロンガスの漏洩です。配管の接続ミス(施工不良)、経年劣化による銅管の腐食、または室外機を動かしたことによる接続部の緩みによってガスが抜けると、熱を運ぶ媒体が失われます。
冷媒ガス漏れの症状と確認方法として最も確実なのは、室外機の側面に接続されている「2本の銅配管(細い管と太い管)」の観察です。細い配管側(高圧側)にびっしりと白い霜(氷)が付着している場合、ガス圧が著しく低下している典型的なサインです。また、配管のジョイント部分に黒っぽい油ジミが浮き出ている場合も、冷媒と一緒に循環しているコンプレッサーオイルが漏れ出している決定的な証拠となります。
2. コンプレッサー故障の初期症状
室外機の心臓部であるコンプレッサー(圧縮機)は、冷媒ガスに高圧をかけて高温・高圧の気体へと圧縮する最重要パーツです。コンプレッサーが寿命や焼き付きで正常に作動しなくなると、熱サイクルが機能しなくなります。
代表的なコンプレッサー故障の初期症状には、稼働開始時に室外機から「ガラガラ」「ガリガリ」という異常な金属摩擦音や、「キーン」という甲高い異音が響くケースがあります。さらに症状が進むと、コンプレッサーが起動しようとした瞬間に「カチッ」とリレー音がして数秒で停止し、室内機のタイマーランプが点滅して停止する、あるいは過電流保護のために宅内のブレーカーが落ちるといった現象が多発します。
3. 四方弁故障による温風冷風の逆転
冷房と暖房の切り替えを司るのが「四方弁(電磁弁)」というパーツです。冷房時には熱を外へ捨て、暖房時には熱を室内へ送るよう、冷媒の流れる流路を物理的にスイッチングしています。
この四方弁内部のピストンがスラッジ(摩耗粉)などで固着したり、電気コイルが断線したりすると、四方弁故障による温風冷風の逆転現象が発生します。リモコンで「冷房」を設定しているにもかかわらず、四方弁が暖房側に切り替わったまま戻らなくなると、室内機から生温かい風が出て、室外機からは暖房時特有の「冷たい風」が吹き出すという奇妙な逆転現象が引き起こされます。
4. 室外機ファンが回らない原因と対処法
熱交換器自体は機能していても、熱を外部に吹き飛ばすためのプロペラファンが回転していなければ熱は放出されません。室外機ファンが回らない原因と対処法として、まずはファンに枯れ葉や木の枝、ゴミが挟まっていないかを確認します。
異物がないにもかかわらずファンが静止している、あるいは手で回しても重くて回らない場合は、ファンモーターのベアリング焼き付き、もしくは基板上のファン駆動用コンデンサの容量抜けが原因です。ファンが停止すると、室外機内部の熱が逃げ場を失って異常過熱し、安全装置(高圧カット)が働いて数分で強制停止します。