熱気が顔を焼く。工房の奥で赤々と揺らめく溶解炉の温度は、実に1100度を超す。ここで実施されている吹きガラスの体験教室は、単なる観光記念のレベルを超えた本格的なものだ。
吹き竿の先に巻き取られた、ドロリとオレンジ色に光るガラスの種。職人の指示に従い、そっと息を吹き込む。「強く吹くのではなく、風を届けるように」。その言葉通りに息を注ぐと、ガラスは生き物のように柔らかく膨らんでいく。冷えて固まる直前のわずかな数秒間に、自らの息吹が形として刻まれる快感。一度この感覚を味わうと、ガラスという素材の魅力から抜け出せなくなるはずだ。