緻密なプロットを組み立ててから筆を執る作家が多いなか、彼の創作作法は規格外だ。先の展開をあらかじめ決め込まず、極限状態に置かれたキャラクターがどう動くかを現場の瞬発力で叩きつける。名作『北斗の拳』や『サンクチュアリ』で生まれた数々の名台詞も、計算づくの伏線回収ではなく、締め切り間際の極限状態で絞り出された魂の叫びだったという。
2026年を迎えた現在も、その創作への意欲は枯渇していない。近年では次世代への技術継承や地域文化への貢献に力を注ぐ一方、最新のメディアミックス展開やリブート企画に対しても、作品の本質である「男の覚悟と哀しみ」が損なわれないよう鋭い視線を送り続けている。巨匠が語る情熱の源泉とは、小手先のテクニックではなく、描き手自身の血を通わせた感情の爆発に他ならない。