独立系映画界の鬼才として知られるガス・ヴァン・サント監督の起用も、本作の成功に不可欠なピースだった。過度なドラマチックさに頼らず、登場人物たちの微妙な感情の揺れやボストンの静けさを静謐なカメラワークで捉えた彼の演出は、物語に独自のリアリティと品格を与えている。
大きなアクションやド派手な特撮に頼らずとも、緻密な脚本と俳優の真に迫る演技があれば世界中の観客の心を動かせる——。本作の世界的ヒットは、当時の映画産業におけるインディペンデント映画の位置づけを大きく変えた。大手スタジオ主導のエンターテインメント全盛時代に、味わい深いヒューマンドラマが商業的にも批評的にも大成功を収められることを証明した歴史的転換点となったのである。