大手スタジオによる世界的なコンテンツ制作の現場でも、この視線表現の追求は止まらない。ワーナー・ブラザースが手掛ける重厚なサスペンス作品や、東映が誇る泥臭くも圧倒的な人間ドラマの系譜において、俳優の「目の芝居」は作品の品格を決定づける軸となっている。近年のハイエンドドラマにおける映像表現は、より精緻な演技設計を求めている。
NetflixやHBOといったグローバルな配信プラットフォームの台頭により、超高精細カメラによる超近接撮影が当たり前となった。その結果、俳優の細かな瞳孔の収縮や目元の微動までもが画面上に克明に映し出される。視線が据わる瞬間の緊迫感は、もはや大画面の劇場だけでなく、個人のスマートデバイスのスクリーンを通じても世界中に強烈な没入感を提供している。