均衡が破れたのは、中盤の第6イニングだった。ほんの僅かな配球の偏り、そして投手の指先から放たれた一球の甘い変化球を、打者が逃すはずもなかった。カウント2-1からの4球目、真ん中高めに入ったスライダーを捉えた打球は、快音とともに夜空へ高く舞い上がった。
打球は描いた放物線そのままに外野フェンスを軽々と越え、スタンド狂喜の劇的2ランホームランとなった。ベンチ全体が跳ね上がり、球場全体に地鳴りのような歓声が響き渡る。一瞬の集中力の差が試合の流れを根底から変えた、まさにこの試合最大のクライマックスだった。