デンバーの気圧は低い。ボールが空気抵抗を受けずにどこまでも飛んでいく一方で、変化球の曲がり幅は露骨に小さくなる。ピッチャーにとっては悪夢以外の何物でもないこの空間で、試合はいつも常識を置き去りにする。立ち上がりのわずか数球で投手のストレートが高めに浮き、打球が外野フェンスの向こう側へと吸い込まれていく。マウンドに立つエースでさえ、ここでは一瞬の油断も許されない。
野手にとっても試練だ。広大な外野グラウンドをカバーするには足が必要であり、外野手の打球判断ひとつで単打が三塁打へと変わってしまう。標高の高さがもたらす酸素の薄さは選手の体力を削り、試合終盤の集中力勝負に拍車をかけるのだ。