こうした状況に対して、日本の医学界も本格的な支援に乗り出している。日本メンズヘルス医学会の主要メンバーであり、この分野の権威として知られる順天堂大学の辻村晃教授らは、男性ホルモン減退による社会的な損失を食い止めるべく啓発を続けてきた。
かつてドキュメンタリー番組の「NHKスペシャル」でも特集され、大きな反響を呼んだ男性更年期だが、当時は「恥ずかしくて受診できない」と受診をためらう患者が後を絶たなかった。現在は臨床の現場を中心に「男の更年期障害」予防・改善プロジェクトが始動しており、早期発見のための問診票(AMSスコア)の普及や、テストステロン補充療法の確立が進んでいる。メンズヘルス医学は今や、単なるアンチエイジングの枠を超えて、働く男性の生産性を守る必須の予防医学へと進化を遂げた。