愛くるしい熱視線がただの愛情表現なのか、それとも一刻を争う病的なSOSなのか。その境界線を提示するのは、現場の第一線に立つ獣医師たちの観察眼だ。
鍵を握るのは「瞳孔の開閉状態」と「全身の緊張度」のふたつである。リラックスした状態での視線は、瞳孔が自然な大きさを保ち、耳は前方を向き、身体のラインも柔らかい。これに対してSOSのサインを発しているケースでは、明るい室内にもかかわらず瞳孔が散大していたり、耳が横に寝る「イカ耳」状態になっていたりする。
また、声をかけても反応が薄く、焦点が合っているようで合っていないような虚ろな凝視は、神経系トラブルや認知機能の低下を疑うべき明白なレッドフラグとなる。