なぜこれほどまでに、毒舌な女性キャラクターが作品の成否を分ける重要要素となったのか。その背景には、グローバルなエンターテインメント産業におけるマーケット構造の変化と、視聴者ニーズの先鋭化が存在する。
SNSの拡散が作品のヒットを左右する現代において、インパクトのあるセリフや尖ったキャラクター設定は、瞬時にショート動画や切り抜きコンテンツとしてバイラルを起こす。制作者側も、優等生的なきれいごとのセリフよりも、視聴者の感情を揺さぶる「棘のあるセリフ」を意図的に組み込むようになった。
また、国際的な視聴者の目も肥えており、単なる「記号的なかわいさ」だけではコンテンツの海に埋没してしまう。作品に深みを与え、世界展開に耐えうる強度を持たせるために、口の悪さに象徴される生々しい人間味が求められているのだ。