長寿の象徴として世界的に知られる巨亀たちの研究は、19世紀の自然史学の幕開けと共に本格化した。進化論で知られるチャールズ・ダーウィンが1835年にガラパゴス諸島を訪れた際、島ごとに甲羅の形状や生態が異なるゾウガメたちに強い関心を示したのは有名な話だ。彼が現地から持ち帰ったとされるゾウガメ「ハリエット」は、オーストラリアの動物園で2006年まで生存し、推定175歳という記録的な長寿をまっとうした。
現代の爬虫類学においては、彼らが過酷な島嶼環境に適応する過程で体得した独自の生理代謝が注目されている。極度に遅い心拍数や、厳しい乾季を生き延びる水分の蓄積能力は、代謝による酸化ストレスを最小限に抑える役割を果たしてきた。厳しい自然界の試練に耐え抜くための進化の選択が、期せずして驚異的な寿命をもたらしたのだ。