本作の凄みを決定づけているのが、主演を務めた実力派俳優プリトヴィラージ・スクマーランの鬼気迫る演技だ。極限状態に追い込まれた男を演じ切るため、彼は数十キロに及ぶ壮絶な減量を敢行。骨が浮き出るほど痩せ細った衝撃的な姿は、CG合成や特殊メイクに頼らない、彼自身の肉体を削り取った執念の産物である。
メガホンをとったブレッシー監督は、企画の立ち上げから完成までに15年以上もの歳月を費やした。ロケーション撮影はヨルダンやアルジェリアの過酷な砂漠地帯で実施。厳しい気候変動や突如襲ったパンデミックによる長期の撮影中断など、幾重もの苦難を乗り越えて完成へと漕ぎ着けた。ブレッシー監督の執念とプリトヴィラージ・スクマーランの命懸けの熱演が融合し、映画史に残る傑作が産声を上げた。